「くちびるに歌を」:読書感想文

お知らせ:2020年8月17日更新→

少し前にヒットし、映画にもなった「くちびるに歌を」の読書感想文です。ストレートな青春もので、とても読みやすいのでおすすめです。「君の膵臓をたべたい」や「フラダン」の要素をうまく混ぜ合わせた感じです。例文は約1000字ですが、いくらでもふくらませて書くことができると思います。登場人物一人一人に焦点を当てて、その登場人物の登場シーンにあわせて色々書いてもいいでしょう。以下例文です。

長崎県五島列島の中学校の合唱部。顧問の先生の産休により臨時に東京から美人の先生が新たに顧問として着任する。先生目当てに女の子だけの部に男子が入部。部員は対立やふれあいをしながら練習に励み、NHK全国学校音楽コンクール(Nコン)の長崎県大会へ出場する。

登場人物に、地味で、一人ぼっち、クラスでも存在感のない男子がでてくる。彼はふとしたことから合唱部に入部する。彼には自閉症の兄がいて、自分の役割は兄のサポートと理解し、これまで部活にも入っていなかった。その彼が練習に真面目に出て、憧れている女の子と仲良くなり、人間としても一回り成長する。青春ものによくある話だが、私はとても感動してしまった。彼は自分の意志で行動するようになり、とても前向きに生きるようになるのだ。
私も前向きに生きなければいけないと思った。

本書はアンジェラ・アキの曲「手紙〜拝啓 十五の君へ〜」を元に小説化されたとのこと。本書では、この「手紙」が合唱部が参加するNコンでの課題曲にもなっている。顧問の先生は、十五年後の自分に手紙を書くようにと、生徒に促す。それらの手紙がとてもいいのだ。ときには登場人物それぞれが思っていることを読者に説明したり、またときには、秘密にしていることが他の人に伝わってしまったりする。

舞台は中学校だが、登場人物は高校生ぐらいの感じだ。それは作者が登場人物の思っていることを丁寧に描き、静かに状況を描写しながら物語を進めていくこととも関係しているだろう。また、風景の描がき方もいい。行ったことはないが、五島列島の山や海に囲まれた町並みが目に浮かぶ。教会やキリスト教のエピソードも登場するのはキリスト教伝来の地、長崎のストーリーならでは。

物語のクライマックスはNコンの予選。合唱部は住んでいる島から予選が開催される佐世保へ泊りがけで遠征する。そこでの様子はドタバタがあり、恋があり、修学旅行のようで楽しい。一方、肝心の合唱では本番前に伴奏をつとめる顧問の先生含むメンバー全員が不調になってしまう。あることをきっかけにメンバー全員気持ちが一つになるのだが、そこが素晴らしい。

ふだんあまり本を読まないが、この本はとてもおもしろかった。また、読みたいと思うとともに、色々他の本も読んでみたいと思った。これを機会に読書が好きになれたらいいと思う。そういう意味でもこの本に出会えてよかった。(981字)

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