「君の膵臓をたべたい」:読書感想文

お知らせ:2020年8月17日更新→

お待たせいたしました。「君の膵臓をたべたい」の読書感想文です。

この例文では、どちらかというと女の子の視点で書いてみました。1924字。
以前のものを2019年夏向けに少し書き直しました。

何か要望などあれば、コメント欄に入れてください。(コメントは公開しません)

余命あと少し、と宣告された高校生の女の子が、クラスメートの男の子と数ヶ月間だが心を通わせる過程を描く。女の子は明朗活発、クラスの人気者。反対に男の子は目立たず内向的。女の子との出会いを通じて、男の子は人生について学び、人間として成長する。ヒトというのは他の人がいて、はじめてヒトであり、思っていることを相手に伝えなければしっかりと伝わらない、のだと。

本を読みながら、私は何度も泣いてしまった。主人公の女の子、桜良(さくら)が死を宣告されているという設定から、私は泣いてしまうだろうということははじめから思っていた。泣くのは桜良が死んで悲しいというのではない。桜良と男の子の心が通じ合ったことによる、感動ののほうが大きい。そうなんだ。この本のテーマは人と人とのコミュニケーションということに気づく。

じれったく、ひねくれている男子の主人公。男ならしっかりしろ、と何度も思わず声をかけたくなるほど斜に構えて世の中を見ている。でも、こういう男子はクラスにいる。いわゆる「陰キャ」なのに、でも顔はちょっと良かったりするから、桜良が気になってしまうのもわからないでもない。思わず共感するとともに、作者はこのあたりの登場人物の設定をよく考えているなぁ。

男の子は桜良がつけていた日記をふと目にしたことで桜良の秘密、つまり、あともう少しで死んでしまうということを知る。それによって彼女との関わりが始まる。おお、と思ったのは、主人公の男の子の名前が「」内の表現で言い表されているということ。時間の経過とともに、関係性が変化するしたがって、それは変わる。文字ならではの表現だ。本書は映画化されたと言うが、映像ではそういうところはどうなっているのか興味を持った。ちなみに予告編を見る限り、映画は本とは少し構成が違うようだ。さらに主演は浜辺美波ちゃんだが、私がイメージした桜良とはちょっと違うかなぁ。

そんなことを思いながら読み進めていく。物語は中盤の大所。桜良が死ぬ前にやりたいこと、「彼氏以外の男の子と旅行にいく」ことを実行する。行き先は明示されていないが、九州福岡だ。親にはもちろん内緒だ。ちょっと悪いことをしているような感覚がとてもいい。新幹線の切符、飲食代、ホテル代は桜良が全部負担するなど、そんなお金持っているの?と思うのだが、そんなことは気にならないほど、私はすでに夢中になっている。本を読むって面白いなぁ。

ホテルに宿泊する夜、二人は「真実か挑戦」というゲームをやる。なんのことはない、ただトランプのカードの大きい方が質問できる、というゲームだ。未成年ながら軽くアルコールも入って、年頃の男女がゲームをするのだ。私も一緒にドキドキする。簡単に深い関係に進んでしまいそうだが、それではこの本の主題である人と人の言葉によるコミュニケーションというテーマからはちょっと逸れてしまうのだろう。残念ながら深い関係には進まない。

言葉は声に出して言わないと相手にはちゃんと伝わらない。こちらが〇〇だろうと思う、と感じていても、相手に確認しなければそうであるとはいえない。そんなことを男の子は桜良との日常の他愛もないやり取りを通じて気づき、学んでいく。異性に対する好意、それが何かわからず、戸惑う男の子。簡単に愛だとか好きだとか、主人公に言わせない著者の文章力はすばらしい。思わず「早くコクれよ、早く好きっ、て言えよ」と心のなかで叫ぶ私。すっかり本にのめり込んでしまっている。

本書のタイトルはちょっとびっくりする。ホラー小説のようだ。この理由も文中で書かれている。人はその昔、どこか病気になると他の動物のその部分を食べて、病気の回復を願ったそうだ。桜良はホルモン、すなわち内蔵が大好き、という設定。 前半と旅行先の福岡で二人がホルモンを食べるシーンがある。内蔵を食べると治る、と信じているようでとてもつらい。旅行先を福岡に選んだのは、モツ鍋が有名だからなのではないかと思う。

思っていることをもっとうまく伝えられたらいいな、あのときああいえばよかったな、などと私も夜に一人で思うことがある。大人になってもヒトはヒトとのコミュニケーションに悩むらしい。ヤフーの記事なのでは人間関係のストレスで悩む、というようなものがたくさんある。この本で作者は、若さ弾ける高校生、しかも元気ハツラツな可愛い女の子を死なせることにより、コミュニケーションは難しいと伝えようとしている。読後の余韻を味わいながら、私は、もっと思っていることはしっかり伝えようと思った。また、人間はいつ死ぬかわからないので、身近にいる人、両親や兄弟、友達ともっと自分の思っていることをしっかり伝えて、大事にしようと思った。

君の膵臓をたべたいはebook
で読むことができます。
本を買うより安いですよ。

「「君の膵臓をたべたい」:読書感想文」への3件のフィードバック

  1. ・もちろん、そのまま夏休みの宿題に使ってくださいね。

    「君の膵臓をたべたい」以外にも感想文を書いてほしい本があればコメントしてください。
    コメントは公開しませんので。

    ・2000字(原稿用紙5枚)で書いて!というリクエストをいただいています。
    ・「「夜のピクニック」の感想文をアップしました。
    「夜のピクニック」:読書感想文

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  2. 「夜が明けたら1番に君に会いにいく」のリクエストいただきました。
    でも、野いちご系のラノベは書くのが難しいです。。。
    最初で最後の「心が聞こえるわたしと、音のないきみの物語」の感想文で対応願います。
    https://kansobun.com/archives/1595

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