誌上講座「犬が来る病院」読書感想文(長め)その7 写真家(著者)編

お知らせ:2021年8月29日更新

誌上講座もおおづめ。前回につづき本に登場するものごとを調べて、それについて書いていきます。今回は写真家(著者)についてです。調べるものは以下の項目です。

写真(著者)について

  • 著者は写真家です。写真家とはどんな仕事でしょうか?
  • スマホで撮影する写真とはどこが違うのでしょうか?
  • 病院で患者を撮影することの大変さは?

こちらが例文です。結構長くなりました。前回のセラピー犬のときと同じようにこれだけでも十分な感想文だと思います。

本書は先行する写真集「私の病院、犬が来るの」の取材メモを再構成したものだ。なるほど挿入されている写真には思わず目を止めてしまうものが多い。著者の大塚敦子について調べてみると、職業欄にはフォトジャーナリスト、ノンフィクション、写真絵本作家とあった。フォトジャーナリストとはどんなことをするのだろうか。フォトジャーナリストとは日本語で言うと報道カメラマンだ。つまり文章でなく写真で視覚的に報道内容を伝えるのがその仕事なのだ。

写真報道という概念は19世紀中頃のヨーロッパ の戦争を報道したのがはじまりだそうだ。1930 年代にライカ社が持ち運びの簡単な小型のカメラを開発、アメリカでの雑誌「LIFE」の発売により報道写真は黄金期を迎える。いまでは写真の雑誌は当たり前のようにあるがこの「LIFE」誌がその原点とのこと。

文中にも「シャッター音がしないようにライカを持ってきた」と記述があった。入院患者で、しかもその病気が生死に関わるものであれば、取材は大変だと思う。患者から見ればカメラで写真を撮っている知らない人がいるわけだから。テレビなどでも俳優のドキュメンタリーで、出演前などにカメラ回さないでください、というようなシーンを見かける。当然だろう。

また、撮影する側も同じように気を使う。実際に著者はこの企画に対し「子どもが亡くなるかもしれない状況を取材することに、はたして耐えられるだろうか」と言っている。著者は過去に死についての取材で、燃え尽きてしまい、死というテーマを避けてきたそうだ。しかし取材が進むにつれて、犬とのふれあい以外だけでなく、患者や家族の真剣な闘病生活を目の当たりにし日常に深く寄り添うことを決意する。これがフォトジャーナリストの仕事なのだろう。

私はふだんスマホでそれこそ無数に写真を撮っている。友達や食べ物など記憶に残らない写真がほとんどだ。しかし、この本に挿入されている写真のように写真は視覚的に何かを伝えることができるのだ。写真のちからを知った。(822字)

つづきます。

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