「夜は短し歩けよ乙女」読書感想文

お知らせ:2020年8月17日更新→

「夜は短し歩けよ乙女」の読書感想文です。(2631字)
各パラグラフの頭に何について書いているかを説明しています。自分で書くときの参考にしてください。
このまま使えます。また、パラグラフごとに分かれているので、適当にパラグラフを選んで使うこともできます。

(あらすじ)
本書は京都を舞台にした、大学生男女の恋愛ファンタジー。主人公の交互の語りで進行していく。男は「先輩」、おそらく大学2年生。ちなみに関西では2回生という。一目惚れした後輩の「黒髪の乙女」と親しくなるために奮闘する様子を描く。四部構成で、春夏秋冬と季節が移り変わる。

(最初の印象1(コミカルな文章))
文章がちょっと変わっている。使われている単語が難しいにもかかわらず、書いてあることは面白おかしい。例えば第一章で先輩は本書のストーリーをこのように語る。「これは彼女が酒精に浸った夜の旅路を威風堂々歩き抜いた記録であり、路傍の石ころに甘んじた私の苦渋の記録である」最初は?となってしまったが、読み進めていくうちに慣れてきて、最後の方では「ぷっ」と吹き出す余裕が出てきた。

文章による芸、つまり文芸とはこういうものを言うのだろう。いま、書き慣れない読書感想文を書いていて思うのだが、思っていることを文章として表すのは本当に難しい。この作者は難しい単語を使って、主人公の思っていることをコミカルに表現している。とても頭がいいのだろう。なるほど京大出身ということで納得した。しかも農学部で大学院まで行っているということだ。シーンの描写が細かったので、なんとなく理系の人と話をしている印象を受けるのはこういうことか。

(最初の印象2(ファンタジー))
時々出てくるのがファンタジーの要素だ。「李白」という名の怪しげな金持ちの老人とその家である豪華な3階建ての電車。古本市に存在する架空の空間と子供の姿をした古本の神様。空中浮遊ができる怪しげな知り合い。市街地に出現する巨大竜巻。これらが物語に独特の味付けをしている。ファンタジーについては好みが分かれるところだと思う。私は最初は抵抗があったが、読み進めていくうちに慣れていった。

(途中の印象1(高校生女子が抱くキャラ、場所、大学生への感想))
あと、主人公の「短く切った黒髪の乙女」であるが、今の時代たいていの女子は髪を染めている。しかも大学生になったらまずやりたいことのひとつだ。黒髪には男の人が女子に対して抱く願望が入っているのかなぁと思った。やはりあくまでも恋愛ファンタジーなのだ。

(途中の印象2(高校生女子が抱くキャラ、場所、大学生への感想))
さらに、なぜ大学生を主人公にしたのかと考えた。大学生といえば、子供が大人=社会人になる最後の段階。子供といえばまだ社会のことをよく知らない。主人公の男女に子供の無邪気な部分を表現させる。そして彼らの視点で夜の盛り場、お酒、エッチな趣味など大人の遊びを見せていくほうが、子供と大人の対比ができて深みがでるのだろう。実際に他の人の感想をネットで見ると、大学生活を思い出した、というのがあった。

(途中の印象3(高校生女子が抱くキャラ、場所、大学生への感想))
一般に学園モノだとスポーツをやっているなどリア充キャラが中心ではないかと思う。でも本書は文化系の話がメイン。男の主人公はどっちかというと「陰キャ」だ。盛りに盛ったキラキラした感じでない分、肩の力を抜いて読めたと思う。ああ、私も早く大学生になってみたいものだ。読み終えたあと、まずこのように感じた。本書の主題である恋愛もあこがれるし、お酒、学園祭、都会のイベントなど色々楽しんでみたい。それにはもっと勉強しないといけないのだが。

(途中の印象4(高校生女子が抱くキャラ、場所、大学生への感想))
京都といえば1200年の文化歴史のある街。私は旅行で一度行ったことがあるだけで、あまり良く知らない。私が覚えているのは清水寺、三十三間堂ぐらい。各章の舞台となる、先斗町(ぽんとちょう、と読むとはじめて知った)、下鴨神社、京都大学や四条河原町、百万遍、高瀬川、など地名をグーグルで調べながら読んだ。うーん、京都にある大学への進学を考えてもいいなあ。歴史のある町並みの中で過ごす大学生活も悪くない。と、たいして勉強もしていないのに思ってみたりする。

(各章に対する印象(第一章))
本書のタイトルでもある「夜は短し、歩けよ乙女」が第一章の題名だ。「黒髪の乙女」に一目惚れした「先輩」の自虐的な語り口から始まる。女の子が夜の街をお酒を飲んで歩き回り、最後に飲み比べとするというストーリーだ。女の子は未成年でまだお酒を飲んではいけないはず、と思うのだが、小説だからいいのだろう。女の子は酒豪という設定で、その天真爛漫さが炸裂する。反対にお酒の飲めない先輩(お酒を飲めないことを下戸ということも知った)がドジをしまくる。バカだなぁ、と思いつつも、先輩頑張れ、と思っている自分もいた。

(各章に対する印象(第二章))
夏の神社の古本市が第二章の舞台だ。古本市ということで、様々な本の題名がでてくる。おそらく著者が好きな本なのだろう。私には知らないものも多く、ほとんど読んだことがない。知っていればストーリーの背景や登場人物のキャラにより深みが出るのであろう。今度題名をちょっと調べてみて、よさそうなものがあったら読んでみようと思った。ちなみに黒髪の乙女が好きなものは「ラ・タ・タ・タム」という絵本。その絵本のアマゾンのレビューには本書を読んでこの絵本を買ってみた、というものがあって、みんな気になって調べてみるんだなと思った。

(各章に対する印象(第三章))
第三章は京大の学園祭。大学生のイベントといえばなんといっても学園祭だろう。有名な大学ではアイドルのコンサートやタレントを呼んだりして、高校の文化祭と比べると、とても華やかな印象がある。学園祭はいつもの構内が非日常的な空間に変わるときだ。作者は学園祭を舞台に主人公の恋を一気に進展させる。

(一番気に入ったシーン)
私が本書で一番気に入ったシーンはこの章のクライマックスだ。学園祭のクライマックスだ。ドタバタを経て、黒髪の乙女と先輩が学園祭で行われている演劇の主人公となる。この演劇はゲリラ的に行われる寸劇をつなぎ合わせたもので、最終幕を主人公の二人が演じるのだ。エンディングも見事に決まり、黒髪の乙女を腕に抱きしめる先輩。少し顔を赤らめながら先輩を見上げる黒髪の乙女。思わずニヤニヤしてしまう私。

(各章に対する印象(第四章))
本書の最終章はクリスマス。しかし京都では風邪の神様による風邪が大流行。黒髪の乙女以外京都では全員風邪を引く、という話。先輩をお見舞いする乙女。夢か現実かわからない中進展する恋。最後には風邪も治り、ほっこりムードでストーリーが終わる。最後にとても温かい気持ちになった。

(まとめ)
繰り返しになるが、使われている単語が難しかったが、次第に慣れ、面白おかしく読み切ることができた。最大の発見は本を読むことがなんとなく楽しい、と感じたことだ。漫画と違って頭の中で登場人物の顔や姿、シーンの様子を想像するのが最初は大変だったが、読んでいくうちにできるようになった。この作者の別の本や本書に登場した本など手にとて見たいと思った。アニメにもなっているのでこちらも見てみたい。

「夜は短し歩けよ乙女」はebook
でも読めます。
紙の本を買うより安いですよ。

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